Someday Somewhere

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麸饅頭

京都の和菓子の中に麸饅頭というものがある。 ネットで他の和菓子レシピを見ていて、この麸饅頭というのが目にとまった。

自分自身は羊羹とか餡を使った和菓子をあまり食べないので、「麸饅頭ねー。 饅頭というからには、どうせ中に餡が入ってるんでしょ」などと思いながら見ていたら、「外側の生地は生麩」なんて書いてある。 生麩は親が好きで、よく買ってきて料理に使っている。 あのモチモチ感がわたしも好きな食べ物の一つである。 そんな生麩で作った饅頭、しかも生麩自体を自分で作れてしまうとなると話は別で、俄然作ってみたくなった。

ちょうど、先日使ったヨモギの残りを冷凍保存してあったので、さっそく作ってみた。

【材料】
強力粉:320g
水:160g
塩:二つまみ

白玉粉:80g
水:50g前後
ヨモギ:適宜(お好みで)
餡:適宜(お好みで)

クッキングシート

1)ボールに強力粉と塩を入れ、少しずつ水を加えながら菜箸などで混ぜる。 粉と水がある程度混ざったら、菜箸に付いている小麦粉をこそぎ落とし、手で捏ねる。 捏ね始めは水分がかなり少なく感じられるが、捏ねているうちにちゃんとまとまってくるのでパン生地を捏ねるときのように根気よく捏ねる。(生地がある程度まとまってきたらのし台の上で捏ねたほうがやりやすいと思う)

2)生地の表面がある程度つるんとしてきたら、サラシや日本手ぬぐいなどの布で包んだ生地をボールに入れ、ラップをして1~2時間ほど冷蔵庫で寝かせる。
今回は1時間半ぐらい寝かせた。

(捏ね終えた状態↓)
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(日本てぬぐいで作った袋状のものに生地を入れたところ)f:id:tsukisai:20170510145409j:plain

3)1時間ほど寝かせた生地はサラシに包んだままの状態で水でよく揉み洗いする。 初めは水が白く濁るが、水が濁らなくなるぐらいまで、ここでも根気よく洗い続ける。
ボールに水を張り、その中で押したり揉んだりしながら洗っていたのだが、なかなか水がきれいにならないので、結局水を流しながら洗った。 大体30分弱ぐらいかかった。

 

これ(↓)が洗い終わった状態。 要するにグルテンと呼ばれているもので、ちょっと黄色っぽい。 触った感じは柔らかいゴムのような感じで、パンとか饅頭の生地みたいに手にベタベタくっつくかと思いきやくっついてこない。f:id:tsukisai:20170511090906j:plain

 

4)ここで人によって次の工程が若干異なってくる。
パターンA:包んでいた布からこのグルテンの塊を取り出し、ボールにほんの少しの水を入れ、そこで再度洗う。
パターンB:2)と同じように布で包み、ラップをして再度30分ほど休ませる。
今回は、パターンAを行った後、ちょっと他の事をしなければならなかったので、パターンBのように冷蔵庫で再度休ませた。

5)4)に白玉粉、水、ヨモギを加え捏ねて混ぜていく。 フードプロセッサーを使って混ぜてもよい(この方が断然楽です)。
うちのフードプロセッサーは小さいので、手で捏ねながら混ぜていった。 全ての材料をペストリーボードの上におき、捏ね始めたのだが、グルテンが他の材料と混ざりにくいので、はじめはボールの中で混ぜ、白玉粉と水がしっかり混ざり合ってからのし台やペストリーボードの上でまんべんなく材料が混ざりあうように捏ねていったほうがいいと思う。 グルテンがなかなか他の材料ときれいに混ざり合わないので、台の上であっちに伸ばしこっちに伸ばしとやっているうちになんとか均等に混ざり合ってくれた。

6)好みの大きさに分け、餡を真ん中に包む。

7)饅頭がしっかりのるぐらいのサイズにクッキングシートを切り、饅頭ののせる。

茹でる前の状態(↓)f:id:tsukisai:20170511113639j:plain

8)鍋の水を沸騰させたら、中火ぐらいにして饅頭をクッキングシートごと鍋に入れる。 くれぐれもグツグツと茹でるようなことのないように。

9)15分ほどするとクッキングシートが饅頭から自然に剥がれてくるので、冷水を入れたボールに饅頭をとって冷ます。 冷めたら出来上がり。
表面が冷たくなっていても、中の餡がまだ熱いことがあるので、出来上がったばかりの饅頭の味見をする際には火傷に気をつけてください。

出来上がった状態(↓)。 表面の出来栄えがいまいち。 もっとつるんとした表面にしたかったので、時間のある時にでも再度挑戦しようと思ってます。

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 今回は饅頭にヨモギを混ぜたが、何も混ぜないとか、青のりや柚子など、いろいろなバリエーションが楽しめそうなお菓子。 また、白玉だんごぐらいの大きさに作って、アイスクリーム、あずき、クルミ味噌あえなどなど、想像は広がるばかりです。

ところで、小麦粉からグルテンを取り出す作業は時間もかかるし、結構疲れます(とは言ってもお菓子作りが好きな人はこういった一つ一つの工程が楽しいと感じたりもするわけですが)。 生麩を作る場合、①生麩粉を使う、②グルテン粉と白玉粉とかもち粉を混ぜる、③小麦粉(強力粉)から作る(今回がこれ)といった方法があるので、わざわざ強力粉から作る必要もなかったのかなとも思ったりするわけですが。 でも、「強力粉を使って生麩を作ることができる」というのが自分の中では大きなインパクトがあったので、次回もきっとこの方法で作ると思う。