Someday Somewhere

A little something to say in my everyday life

ナンバ(歩行法)

去年の暮れにモンベルでちょっと大きな買い物をした時、久しぶりにモンベル会員になった。 「おお、この青いカード、久しぶりー」ってなわけで、会員だとオンラインショップの送料が無料なのをいいことに、ちょこちょこと小さな買い物をしているこの頃。 (これもショップ側の狙い・・・?)

さて、会員には定期的にカタログや雑誌が送られてくる。 その中に『OUTWARD』という雑誌がある。 こういった雑誌は普段あまり目を通さないのだが、最近送られてきたものをパラパラと見ていると「山登りが楽になる歩き方」という記事があった。 そこに紹介されていたのが「ナンバ」という歩き方。(その記事にあったイラスト↓。 モンベルさん、お借りしました)

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江戸時代までの日本人は、同じ側の手と足を同方向に動かすナンバ歩きという独特の歩き方をしていたという説があります。 なんとなくコミカルな動きを想像しますが、体をひねらず左右の軸を支点に足を踏みかえる「二軸運動」のイメージがより正確といえるでしょう。 地面を蹴って歩く現代の歩き方に比べて、重心移動がスムーズでエネルギー効率も良いとされ、その動きを取り入れるアスリートもいるぐらいです。

(『OUTWARD』SUMMER 2016 No.71, p.41より)

もう少し詳しい説明がWikipediaにもあるが、この記事を読んで妙に納得した姿勢がある。 それは、登山中、いかにも「登山経験豊富です」のように見える人が腕を組んで歩いている様子。 登山を扱ったテレビ番組に出てくるガイドさんたちもこの姿勢で一歩一歩ゆっくりと歩いていることが多い。 「体が左右に無駄に揺れることなく安定した姿勢で歩けるから。 そして、安定した姿勢で歩けるといういうことは、無駄に疲れることを防げるから」という説明を以前聞いたことがあるが、確かに腕を組んで歩いてみると、上のイラストの「中心軸運動(現代人の動き)」のように右腕と左脚、左腕と右脚という組み合わせで動かすことじたい難しい。 中心軸運動で歩こうとすると、肩を大きく前に動かすしかなく、こっちの動きこそコミカルである。

わかっている人にはあまりにも当たり前の事なのかもしれないが、自分的にはストンと納得できた気分になった。

最近は脚、特に膝の負担軽減と将来、年をとった時の足腰の状態を考慮して、トレッキングポール2本を使いながらの山歩きが主なのだが、息を切らすこともなく、ゆっくりゆっくりと、それでいて悠々と歩いている登山者に出会うと、妙に羨ましく感じてしまう。 そんな彼らの横を足早に登っていく人もいるが、結局息があがってしまい途中で休憩。 早足&休む、早足&休むを繰り返し、山頂に着いてみれば、前者と後者の差はほとんどない。 時によっては前者の方が結果的に早かったりすることもある。 自分も、急登が幾つもあるようなルートでも、一定のペースで悠々と登れるようになりたいと思うこの頃である。