読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Somewhere in time

A little something to say in my everyday life

糖質制限

書籍(健康)

以前読んだ傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 (光文社新書)もそうだが、著者の夏井睦先生は、良くも悪くも、とても勇気のある方だと思う。 一匹狼的というか、少数派というか、今まで定説となっていることに真っ向から疑問を投げかけるというか。

炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学 (光文社新書)

炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学 (光文社新書)

 

 糖質制限と言えば、夏井先生の本が出る2年ほど前に江部康二先生の腹いっぱい食べて楽々痩せる「満腹ダイエット」 肉を食べても酒を飲んでも運動しなくても確実に痩せる! (SB新書)という本が出版されている。 この本のタイトルは以前から知っていた。 電車内の広告をよく見かけたから。 その時は「またそんな突拍子もないことを主張して。 どうせ売れればいい的な本じゃないのー」などと勝手に思ったりしていた。 そして、夏井先生のこの本をちょうど読み終わったところで、今は江部先生のこの本を読んでいるところである。

さて夏井先生の本に話しを戻すと、まずは先生ご自身が糖質制限を実行してみて、どんな効果があったのかという話しから始まる。 糖質制限を始めるにあたって、きっちりと正確にやり始めたわけではなく、ご自身の生活スタイルに合わせて、それほどピリピリせずに行っていると いった印象を受けた。 それでも効果はしっかり出ているそうで、ダイエット効果に加えて、高血圧や高脂血症もいつのまにやら治っていたり、睡眠時無呼吸も治ってしまったらしい。

この本では、糖質の説明や人間の身体における糖質の役割等の説明もあることはあるが、個人的に最も興味を持って読んだのは、穀物の歴史、人類と 穀物(炭水化物)との出会い、穀物(炭水化物)に出会ってから人類が歩んだ道、そして人はもともと炭水化物を多く摂る生き物の内臓を持っていたわけではな いといったことなど、人類誕生というかなり長いスパンと広い視野からみた人類と炭水化物との関係だった。 おもしろかった。

そして、夏井先生は湿潤治療を提唱した時と同じく、今回もしっかりパラダイム・シフトを展開している。 (パラダイム・シフトとは、「それまでの常識が一挙にひっくり返ってしまうような変化のこと」(『炭水化物が人類を滅ぼす』より)) 著者は現在一般的に行われている糖尿病の食事療法の矛盾を指摘し、「治らない病気こそ儲かる」と糖尿病学会の治療方法を批判している。 敵が多そうな人である。 尚、現在の栄養学では「生活習慣病を予防するためには、脂質の比率を25~30%以下に抑えるべき」「炭水化物は60%前後と、もっとも多く必要」 「炭水化物:タンパク質:脂質の比率は3:1:1が望ましい」となっている。 糖質制限という視点から見ると「炭水化物を60%前後も摂取しましょう」というのは「とんでもない話し」ということになってしまう。

糖質制限に関する情報以外に「糖質とは」「糖質と人体との関係」「穀物(炭水化物)と人体の歴史や関係」など、この本の内容は結構広い。 もし具体的な糖質制限のやり方や糖質制限食に関して知りたいという人は、どちらかというと江部先生の本を読んだほうがいいかもしれない。

今回、本の中にしょっちゅう登場した言葉:

1)人間の生命維持に欠かせないと言われている3大栄養素:炭水化物・脂質・タンパク質
2)炭水化物=糖質+食物繊維(シンプルに説明するとこうなる。 だから、糖質制限では、炭水化物をあまり摂取しないようにするということになる)